
「商号」ってどういったものをつければいいのか…
会社のイメージにも繋がるし難しいよなぁ…

商号はイメージだけじゃなく、さまざまなルールもある奥深いものなのじゃ!
会社設立の第一歩は商号を決めることです。
しかしこれから長年付き合っていくことになる商号を簡単に決めるのは難しいですよね。
また商号には使えない言葉や文字もあり、一筋縄ではいきません。いい商号を思いついた後から「やっぱり使えなかった…」とならないように気をつけましょう。
本記事では商号のルールや決め方、参考になる例について詳しく解説します。
そもそも商号とは?

商号はビジネスを行う上で自分たちをわかりやすく表示するための名前です。
会社設立する際に行う法人登記に必要となるので、起業したい方は必ず商号を考えなければいけません。
よく似た言葉に「屋号」がありますが、屋号は個人事業主がつける名称です。
商号のルール

商号は好きに付けられるわけではありません。法律に定められたルールがあるので、その範疇で決める必要があります。
主なルールは以下の4つです。
- 使える文字に制限がある
- 「株式会社」「合同会社」を含めなければならない
- 同一住所での同名商号はNG
- 「支店」「支社」などは使えない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
使える文字に制限がある
実は商号には使える文字に制限がいくつかあります。
まず「&」「’」「,」「-」「.」「・(中点)」を除く記号は使えません。そのため「@」や「!」を使うことは不可能です。
またこれらの記号も最初と最後に使用するのもNGです。
(例:株式会社き・ぎょう→○ 株式会社・きぎょう→×)
さらにローマ数字も使えない決まりになっています。(Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ…)
最後にローマ字の外国文字も使えません。「株式会社ريادة الأعمال」などにしたくてもダメだということですね。
つまり、使える文字は以下の5つということになります。
- ひらがな、カタカナ
- 漢字
- アラビア数字(1,2,3…)
- ローマ字
- 「&」「’」「,」「-」「.」「・(中点)」※先頭と末尾以外
商号を決める際は使えない文字を含んでいないか注意しましょう。

昔はローマ字やアラビア数字なども使えなかったのじゃ!
「株式会社」「合同会社」を含めなければならない

スタイリッシュな商号にしたいから「株式会社」は抜こうかな!と思っていたのにダメなのですね…
商号をつける際は必ず「株式会社」もしくは「合同会社」を含めなければなりません。「私たちは会社です」と周囲に示さなければいけないのです。
また誤解を与える恐れがあるため、株式会社が「合同会社」と名付けることもNGです。
ちなみにたまに見かける「有限会社」は2005年に成立した会社法により制度がなくなったので、それ以降新しく有限会社を設立することはできなくなりました。
同一住所での同名商号はNG

似ている商号の会社が無いかチェックじゃ!
同じ住所に全く同じ商号の会社がすでに存在している場合は、その商号をつけることはできません。他者から見て2つの会社を区別できないからです。
以前は同じ市町村内で同様の営業目的の場合も、同一の商号をつけることはできませんでした。
現在は新会社法の施行により同一の住所に緩和されていますが、それでもなお近くに同じ商号の会社がある場合はその商号は避けたほうがよいでしょう。
また有名な企業と同じ、若しくは類似した商号をつけていると、損害賠償や商号使用の差し止め請求をされる可能性もあります。
念のため商号を決める際は同一・類似しており、かつ同じ営業目的の会社は無いか調べておきましょう。
一部の業種に関する制限
保険業や銀行業などの公益性の高い事業を行う会社は、商号に「保険」「銀行」と含めなければいけません。
逆に保険業や銀行業を営んでいない会社が「保険」「銀行」という文言を商号に含めることはできません。

「餅は餅屋」ということですね!

夢雄…、使い方間違っておるぞ…
「支店」「支社」などは使えない

要するに周りに誤解を与えるような商号はダメということじゃな
商号の中に「支店」「支社」など、ある会社の一部だと思わせるような文言は使用できません。そのため「事業部」「不動産部」「販売部」「総務部」などもNGです。
ただし「代理店」「特約店」などは使うことができるとされています。
商号の決め方と参考例

商号はビジネスを続ける限り付き合っていくことになる名前です。なかなか納得のいく名前が浮かばずに悩みますよね。
ここからは商号の決め方と参考例について解説します。
サービスや事業がわかるようなものにする

わかりやすさが大切じゃな!
商号はビジネスを表す看板になります。聞いただけでどのような事業・サービスを行っているかわかる商号をつけるのもおすすめです。
「〇〇コンサルティング」
「〇〇印刷」
「〇〇自動車」
2つ以上の単語を組み合わせる
「2つ以上のものを組み合わせる」という考え方はアイデアの基本です。
商号でも事業や想いに関連する2つ以上の単語を組み合わせるとしっくりくる名称が浮かぶかもしれません。
- マイクロソフト(マイクロコンピュータ&ソフトウェア)
- ミクシィ(mix+人をイメージする「i」)
- マネーフォワード(money+forward「お金を前へ」)
頭文字をつなげる
企業理念や大事にする言葉、サービスなどの頭文字をつなげるのもいいでしょう。
自分たちだけの言葉でオリジナルな商号が生まれます。
- オートバックスセブン(アピール、ユニーク、タイヤ、オイル、バッテリー、アクセサリー、カークーラー)
- アイフル(Affection「愛情」 Improvement「努力」 Faithfulness「誠実信頼」 Unity「調和結束」 Liveliness「活気」)
会社の理念を込める
あなたが会社を設立してやりたいことはどういったことでしょうか?
会社の理念や想いをそのまま商号にすることで、愛着の湧く名称となります。
- Amzon:世界最大の川「アマゾン川」のように、広大なシェアを得られることを願って命名
- アステラス製薬:「大志の星=aspired stars」と日本語で「明日を照らす」をかけて、最先端の医薬技術で人々を救うという意味が込められている
インパクトのある名前にする
まずは覚えてもらうことや目立つことを意識するなら、インパクト重視の商号をつけるのも一つの手です。
賛否はあるでしょうが、まず間違いなく人の記憶に残ります。
- UNCHI:「最初から最後まで責任を負いたい」という意味が込められている
- あなたの幸せが私の幸せ世の為人の為人類幸福繋がり創造即ち我らの使命なり今まさに変革の時ここに熱き魂と愛と情鉄の勇気と利他の精神を持つ者が結集せり日々感謝喜び笑顔繋がりを確かな一歩とし地球の永続を約束する公益の志溢れる我らの足跡に歴史の花が咲くいざゆかん浪漫輝く航海へ ※世界一長い商号
商号を決める際のポイント

商号を決める際には、ルールや響き以外にも重要なポイントがあります。
- 検索時に被る単語はないか
- ドメインを取得できるか
- 言いにくい商号は避けたほうが無難
それぞれ詳しく見ていきましょう。
検索時に被る単語はないか

多くの人は検索結果の上の方しか見ません!
商号を検索したときに一番上に会社HPが出てこないと信用が低下するケースがあります。
そのため他の企業の商号以外にも、検索時に被る単語はないかをしっかりチェックしておきましょう。
ドメインを取得できるか

ドメインはメールアドレスにも使用されるのじゃ
ドメインとはネット上の住所のようなもので、日本の法人の場合「〜.co.jp」となります。
基本的に「〜」の部分は好きに決められますが、すでに使われているドメイン名を使用することはできません。
商号を決める際には事前にドメインを取得できるのか確認しておきましょう。
また商号をそのまま使用できなかったとしても、「-」や数字を含めて違うドメインとして取得することも可能です。
言いにくい商号は避けたほうが無難
商号は今後何度も口にすることになります。あまりにも言いにくい言葉だと打ち合わせや電話対応の際に困ります。
よほどインパクトを重視しない限りは、言いやすい商号にした方が無難です。

お世話になります。株式会社マ、マサツ、マサチューセッツです!

なんでそんな言いにくい商号にしたのじゃ…
まとめ:商号を理解して、自分だけの商号を付けるべし!

商号は会社の看板として長い間付き合っていくことになる名前です。また起業手続きの際には一番初めに決めなければいけません。
色々と悩むと思いますが、ルールを理解して自分だけの商号をつけましょう!
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